○取手市中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例

平成3年6月29日

条例第14号

(目的)

第1条 この条例は,中高層建築物の建築に係る計画の事前公開並びに紛争のあっせん及び調停に関し必要な事項を定めることにより,良好な近隣関係を保持し,もって地域における健全な生活環境の維持及び向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 中高層建築物 高さが10メートルを超える建築物(都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に掲げる第一種低層住居専用地域,第二種低層住居専用地域及び田園住居地域にあっては,軒の高さが7メートルを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物)をいう。

(2) 建築主 中高層建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。

(3) 工事施工者等 中高層建築物に関する設計,工事又は工事監理の請負者をいう。

(4) 近隣住民 次に掲げる者をいう。

 冬至において中高層建築物により午前8時から午後4時までの間に日影を生ずる範囲内で当該中高層建築物の敷地の境界線からその高さの2倍の水平距離の範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者

 中高層建築物の敷地の境界線から20メートルの水平距離の範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者

 中高層建築物による電波障害等の影響を著しく受けると認められる者

(5) 紛争 中高層建築物の建築に伴い発生する次に掲げるものについて,周辺の生活環境に及ぼす影響に関する近隣住民と建築主との間の紛争をいう。

 日照の阻害,電波障害,風害等

 工事中の騒音,振動等

 中高層建築物の建築に伴い既存建築物を解体する場合に飛散するアスベスト等の有害物質

(市長の責務)

第3条 市長は,紛争を未然に防止するよう努めるとともに,紛争が生じたときは,迅速かつ適正に調整するよう努めなければならない。

(当事者の責務)

第4条 建築主及び工事施工者等は,紛争を未然に防止するため,中高層建築物の建築を計画し,又は工事を施工するに当たっては,周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに,良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。

2 建築主,工事施工者等及び近隣住民は,紛争が生じたときは,相互の立場を尊重し,互譲の精神をもって,自主的に解決するよう努めなければならない。

(標識の設置等)

第5条 建築主は,中高層建築物を建築しようとするときは,近隣住民に建築に係る計画の周知を図るため,当該建築敷地内の見やすい場所に,規則の定めるところにより,標識を設置しなければならない。

2 建築主は,前項の規定により標識を設置したときは,速やかにその旨を規則の定めるところにより,市長に報告しなければならない。

(説明会等の開催)

第6条 建築主は,中高層建築物を建築しようとする場合において,近隣住民が求めたときは,速やかに建築に係る計画の内容について説明又は説明会を開催しなければならない。

2 建築主は,前項の規定により説明又は説明会を開催したときは,その内容等について規則の定めるところにより,市長に報告しなければならない。

(あっせん)

第7条 市長は,建築主と近隣住民の双方から紛争の調整の申し出があったときは,あっせんを行う。

2 市長は,前項の規定にかかわらず,建築主又は近隣住民の一方から調整の申し出があった場合において,相当の理由があると認めたときは,あっせんを行うことができる。

(あっせんの打切り)

第8条 市長は,当該紛争について,あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めたときは,あっせんを打ち切ることができる。

(調停)

第9条 市長は,前条の規定によりあっせんを打ち切った場合において,必要があると認めたときは,当事者に対し,調停に移行するよう勧告することができる。

2 市長は,前項に規定する勧告をした場合において,当事者の双方がその勧告を受諾したときは,調停を行う。

3 市長は,前項の規定にかかわらず,当事者の一方が第1項に規定する勧告を受諾した場合において,相当の理由があると認めたときは,調停を行うことができる。

4 市長は,調停を行うに当たって必要があると認めたときは,調停案を作成し,当事者に対し,期間を定めてその受諾を勧告することができる。

5 市長は,調停を行うに当たっては,取手市建築紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)の意見を聴かなければならない。

(調停の打切り)

第10条 市長は,当事者間に合意が成立する見込みがないと認めたときは,調停を打ち切ることができる。

2 前条第4項の規定による勧告が行われた場合において,定められた期間内に当事者から受諾する旨の申し出がないときは,当該調停は打ち切られたものとみなす。

(調停委員会)

第11条 第9条第5項の規定による市長の意見の求めに応じ,必要な調査審議を行い意見を述べるとともに,市長の諮問に応じて,紛争に関する重要事項について調査審議するため,本市に調停委員会を置く。

2 調停委員会は,非常勤の委員5人をもって組織する。

3 委員は,法律,建築又は環境等の分野に関し優れた知識及び経験を有する者のうちから市長が委嘱する。

4 前項の委員の任期は,2年とする。ただし,再任を妨げない。

5 前項の委員が欠けた場合における補欠委員の任期は,前任者の残任期間とする。

6 委員は,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も,また,同様とする。

7 調停委員会の庶務は,総務部において処理する。

8 前各項に定めるもののほか,調停委員会の組織及び運営に関し必要な事項は,規則で定める。

(出頭等)

第12条 市長は,あっせん又は調停のため必要があると認めたときは,当事者に対し出頭を求め,その意見を聞き,又は関係図書の提出を求めることができる。

(協定の締結)

第13条 建築主と近隣住民は,市長のあっせんにより合意したとき又は調停を受諾したときは,建築工事に係る協定を締結しなければならない。

(工事着手の延期等の要請)

第14条 市長は,あっせん又は調停のため必要があると認めたときは,建築主に対し,期間を定めて工事の着手の延期又は工事の停止を要請することができる。

(公表)

第15条 市長は,次の各号に掲げる事実があった場合は,その旨を公表することができる。

(1) 第12条の規定による出頭又は関係図書の提出を求めた場合において,その求めを受けた者がその求めに理由なく応じないとき。

(2) 第13条の規定による建築工事に係る協定を締結しないとき。

(3) 前条の規定による工事の着手の延期又は工事の停止を要請した場合において,その要請を受けた者がその要請に理由なく応じないとき。

(委任)

第16条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

この条例は,平成3年7月1日から施行する。

(平成7年条例第27号)

この条例は,公布の日から施行する。

(平成17年条例第120号)

(施行期日)

1 この条例は,平成18年4月1日から施行する。

(平成17年条例第128号)

この条例は,公布の日から施行する。

(平成19年条例第47号)

(施行期日)

1 この条例は,平成20年4月1日から施行する。

(平成30年条例第20号)

この条例は,平成30年4月1日から施行する。

(令和3年条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は,令和3年4月1日から施行する。

取手市中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例

平成3年6月29日 条例第14号

(令和3年4月1日施行)