○取手市消防職員惨事ストレス対策に関する要綱

平成27年9月14日

消本告示第2号

(目的)

第1条 この要綱は,災害出動等に起因する惨事ストレス対策を定めることにより,職員の心の健康増進を図り,もって明るく活気に満ちた職場環境の整備に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 惨事ストレス 災害出動等により,悲惨な現場で犠牲者の救助や捜索活動に携わった人が受ける強い精神的ストレスをいう。

(2) ストレス反応 何らかの刺激や要求に応じようとする生体の緊張状態・反応のことで,心拍数の増加,発汗等の身体的な症状及び現実感の消失,集中力の低下,フラッシュバック等の精神的な症状をいう。

(3) デフュージング 災害等において外傷的出来事(その人の生命や存在に強い衝撃をもたらす出来事)に遭遇した直後に,小集団でその経験を話し合い,ストレス反応を低減することを目的とするグループミーティングをいう。

(4) PTSD 心的外傷後ストレス障害の略称で,ストレス反応の症状が1か月以上持続する障害をいう。

(5) 緊急時メンタルサポートチーム 総務省消防庁が所管するチームで,大規模災害,特殊災害等が発生した場合において,現地の消防本部に出向き,惨事ストレス対策の支援をする団体をいう。

(消防本部の対策)

第3条 消防長は,惨事ストレス対策の理念等を十分に認識し,次に掲げる対策を講ずるものとする。

(1) 惨事ストレス教育対策

(2) 労務管理及び執務環境対策

(3) 現場活動対策

(4) デフュージング対策

(5) PTSD対策

(6) その他惨事ストレス解消のため必要な対策

(所属長の責務)

第4条 所属長及び当直責任者(以下「所属長等」という。)は,惨事ストレスについて理解するとともに,所属職員に対し惨事ストレス対策を指導し,並びに惨事ストレスの予防とその解消のために適切な指示を与えなければならない。

(職員の責務)

第5条 職員は,惨事ストレスの発生要因等を正しく理解するとともに,自らの健康維持及びストレスに対処するための解消法等の習得に努めなければならない。

2 各隊長は,次に掲げる事案に従事した場合には,所属長等に報告するとともに,隊員のストレス対策について特に留意しなければならない。

(1) 子供の死など,自分の家族を想起させるような場面での活動

(2) 悲惨・凄惨な現場,極度の不安や緊張を強いられる現場での活動

(3) 自身の受傷・死亡重症の危険が高い現場での活動

(4) 同僚の負傷,殉職が発生した現場での活動

(5) 活動に困難が伴い,命の危険を感じながらの活動

(6) 救出した人の死又は救命救出できなかった現場での活動

(7) トリアージの必要な現場での活動

(8) マスコミその他大勢に注目される現場での活動

(災害事案終了後のストレスケア)

第6条 各隊長は,前条第2項各号に掲げる事案に従事した場合又は災害事案の規模・程度等に応じて必要と認められる場合は,災害事案終了後に速やかにデフュージングを行うものとする。

2 各隊長は,前項のデフュージングによりストレス対策が必要であると認められる場合には,所属長等に報告し,経過観察を行うものとする。

3 所属長等は,前項の報告により職員が強いストレスを受け,更にストレスケアが必要と認めるときは,消防本部総務課長に報告し,必要な措置をとるものとする。

(専門家等によるストレスケア)

第7条 消防本部総務課長は,前条第3項の規定による報告を受けた場合又は職員の惨事ストレス対策において医療上のカウンセリングが必要な場合は,次に掲げる専門機関に依頼するものとする。

(1) 産業医

(2) その他産業医が指定する専門機関

(3) 緊急時メンタルサポートチーム

(庶務)

第8条 惨事ストレス対策に係る庶務は,消防本部総務課において処理する。

(その他)

第9条 この要綱に定めるもののほか,必要な事項は,消防長が別に定める。

この要綱は,平成27年9月15日から施行する。

取手市消防職員惨事ストレス対策に関する要綱

平成27年9月14日 消防本部告示第2号

(平成27年9月15日施行)