○取手市議会基本条例

平成23年12月5日

条例第23号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第3条・第4条)

第3章 市民と議会との関係(第5条・第6条)

第4章 議会と市長等との関係(第7条~第10条)

第5章 議会運営(第11条~第16条)

第6章 議会の体制整備(第17条~第22条)

第7章 最高規範性及び見直し手続(第23条・第24条)

付則

取手市議会は,日本国憲法がうたう地方自治の下,市民から負託を受けた市長とともに,二元代表制の一翼として,市民の意思を把握し,実現化するために責任ある役割を担っている。

議会は,自治体政策の立案,決定,執行,評価での論点を明確にし,市民に開かれた市政を目指す責務を有する。また,合議制の議会は,多様な意見を集約するために,市民との対話を行い,自由かっ達な討議を重ね,その審議経過を市民に積極的に公開しなければならない。

取手市議会は,これまで取り組んできた議会改革を踏まえ,市民との対話を根幹に,更に議会改革を推進し,市民から信頼される議会にすべく,ここに議会の最高規範としての議会基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,二元代表制の下,取手市議会(以下「議会」という。)の基本理念,取手市議会議員(以下「議員」という。)の責務,活動原則等を定めることにより,合議制の機関である議会の役割,市民と議会との関係,議会と市長との関係を明らかにするとともに,地方自治の本旨に基づく市民の負託に的確に応え,市勢の伸展と市民福祉の向上に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 議会は,市政における唯一の議事機関としての責任を自覚し,市民の意思を市政に反映させるため,公平かつ公正に議論を尽くし,地方分権時代にふさわしい真の地方自治の実現を目指すものとする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第3条 議会は,議員の合議機関として,常に公平性及び透明性を確保し,次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)について,適切な行政運営が行われているかを監視し,及び評価すること。

(2) 政策提案権を積極的に活用することができるようにすること。

(3) 意思決定に当たって,議員間,市長等との自由かっ達な討議を通して論点を明らかにし,合意形成に努めること。

(4) 市民の多様な意見を的確に把握することに努め,市政に反映させるための議会運営を目指すこと。

(5) 市民が傍聴の必要性を認識できる議会運営に努めること。

(6) 市民に分かりやすい言葉,表現を用いた議会運営に努めること。

(議員の活動原則)

第4条 議員は,次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 市民の代表としてふさわしい品位を保ち,常に研さんに努め,取手市政治倫理条例(平成26年条例第9号)を遵守すること。

(2) 議員による積極的な条例提案を行うよう努めること。

(3) 議会の構成員として,一部の団体又は地域の代表にとどまらず,市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

(4) 議会活動について,市民に対して積極的に情報を伝えるよう努めること。

第3章 市民と議会との関係

(市民参加及び市民との連携)

第5条 議会は,議会活動に関する情報を積極的に公表し,透明性を高めるとともに,説明責任を十分に果たすものとする。

2 議会は,市民と多様な意見交換の場を設け,議員の政策立案能力を強化するとともに,政策提案の拡大に努めるものとする。

3 議会は,請願を政策提案として受け止め,常任委員会,議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)における当該請願に係る質疑が終結するまでの間に請願の代表提出者又は代表提出者から委任を受けた提出者(以下「代表提出者等」という。)から発言の申出があったときは,特別の理由がない限り,委員会において代表提出者等の意見を聴く機会を設けなければならない。

4 委員会の委員長は,傍聴人から発言の申出があった場合において,必要かつ適当と認めるときは,委員会に諮り傍聴人の発言を許可することができる。ただし,前項の規定により請願に係る意見を述べた代表提出者等は,当該請願について傍聴人として発言することはできない。

(意見交換会)

第6条 議会は,市民との対話と報告の場として,意見交換会を年1回以上行うものとする。

2 意見交換会に関する事項は,別に定める。

第4章 議会と市長等との関係

(議会と市長等との関係)

第7条 議会審議における議員と市長等との関係については,品格,冷静を基調とする緊張関係を保持するものとする。

2 本会議及び委員会における質疑及び質問は,一問一答の方法で行い,論点を明確にしなければならない。ただし,本会議における質問について,特に議長の許可を得たときは,この限りでない。

3 市長等及び市長等から委任を受けた者は,本会議において,議員の質問に対して反問することができる。

4 議員は,会期中又は閉会中にかかわらず,議長を経由して市長等に対し資料請求を行うことができる。

(市長による政策形成過程の説明)

第8条 議会は,市長が提案する重要な計画,政策,事業等(以下「政策等」という。)について,議会審議における論点情報を整理し,その政策等の水準を高めることに資するため,市長に対し,次に掲げる事項に関し説明を求めるものとする。

(1) 政策等を必要とする背景

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 市民参加の実施の有無及びその内容

(4) 他の地方公共団体の類似する政策等との比較検討

(5) 総合計画における根拠又は位置付け

(6) 政策等の実施に係る財源措置

(7) 将来にわたる政策等の費用及び効果

(予算及び決算における説明)

第9条 議会は,予算及び決算の審議に当たっては,前条の規定に準じて,市長に対し,施策又は事業ごとに分かりやすい説明を求めるものとする。

(議決事項の追加)

第10条 議会は,地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定に基づき,必要な事項を議会の議決事項として追加することができる。

2 前項の規定に基づく議会の議決事項については,条例で別に定める。

第5章 議会運営

(討議等の原則)

第11条 議会は,議事機関として,その意思決定に当たり,議員間の公平で自由な議論を尽くすため,本会議においての議員の討論については,賛否を明確にし,一議題につき3回まで行うことができることとする。

2 議会は,原則として,委員会活動を中心に委員間討議を行うものとする。

(議長の役割)

第12条 議長は,議会を代表し,議会の秩序保持,議事の整理,議会事務を統理し,公平公正な議会運営を行う。

2 議長は,議会全体の代表として,中立性のある活動を行う。

(議長及び副議長志願者の所信表明)

第13条 議会は,議長及び副議長の選出に当たり,本会議において,それぞれの職を志願する者に対して所信を表明する機会を設けるものとする。

(会派)

第14条 会派は,2人以上により結成された議員の団体とする。

2 会派について必要な事項は,取手市議会会派規程(平成22年議会訓令第2号)で定めるものとする。

(会派代表者会議)

第15条 会派代表者会議について必要な事項は,取手市議会会派代表者会議規程(平成22年議会訓令第3号)で定めるものとする。

(議員全員協議会)

第16条 議員全員協議会について必要な事項は,取手市議会全員協議会規程(平成22年議会訓令第1号)で定めるものとする。

第6章 議会の体制整備

(議員研修)

第17条 議会は,議員の政策形成及び政策立案能力の向上を図るため,議員研修の充実強化に努めるものとする。

(議会事務局の充実)

第18条 議会は,議会及び議員の政策立案能力を向上させ,議会活動を円滑かつ効率的に行うため,議会事務局の調査及び体制の整備に努めるものとする。

(議会図書室の充実)

第19条 議会は,議員の調査研究の推進のために,議会図書室の充実強化に努めるものとする。

2 議会図書室の管理について必要な事項は,取手市議会図書室管理規程(昭和58年議会訓令第1号)で定めるものとする。

(議会広報の充実)

第20条 議会は,議会だより,市議会ホームページ等の多様な広報手段を活用し,多くの市民が議会及び市政への関心を高めるための体制整備並びに議会広報活動の充実強化に努めるものとする。

(専門的知見の活用)

第21条 議会は,市の直面する重要課題に対応するため,法第100条の2の規定により,必要に応じて大学等研究機関との連携又は専門的な知識及び経験を有する者の知見の積極的な活用を図るものとする。

(情報通信技術の活用)

第22条 議会は,議会活動を円滑かつ効率的に行うため,情報通信技術の積極的な活用を図るものとする。

2 議会は,災害の発生,感染症のまん延等,やむを得ない理由により議事堂に参集することが困難なときは,その状況に応じた情報通信技術の積極的な活用を通じ,議会活動の継続を図るものとする。

第7章 最高規範性及び見直し手続

(他の条例との関係)

第23条 この条例は,議会に関する基本的事項を定める最高規範としての条例であり,議会に関する他の条例等を制定し,又は改廃する場合は,この条例に反してはならない。

(検証及び見直し手続)

第24条 議会は,この条例の目的が達成されているかを議会運営委員会で検証し,必要に応じてこの条例の見直しを行うものとする。

この条例は,平成24年1月1日から施行する。

(平成26年条例第2号)

この条例は,公布の日から施行する。

(平成27年条例第45号)

この条例は,平成28年2月15日から施行する。

(平成30年条例第24号)

この条例は,平成30年4月1日から施行する。

(平成30年条例第25号)

(施行期日)

1 この条例は,平成30年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に取手市議会に提出されているこの条例による改正前の第5条第3項に規定する請願等については,なお従前の例による。

(平成30年条例第27号)

この条例は,平成30年4月1日から施行する。

(令和2年条例第14号)

この条例は,公布の日から施行する。

取手市議会基本条例

平成23年12月5日 条例第23号

(令和2年5月8日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成23年12月5日 条例第23号
平成26年2月19日 条例第2号
平成27年12月16日 条例第45号
平成30年3月23日 条例第24号
平成30年3月23日 条例第25号
平成30年3月23日 条例第27号
令和2年5月8日 条例第14号